インターネット回線の品質のはなし

自宅で仕事をしていると、インターネット回線の品質は生命線といえるほど重要だ。しかし、この数年はあまり芳しくない回線品質に悩まされてきた。原因は主に以下の3つである。

  • NTT回線の物理的な品質
  • IPv4 over IPv6が抱える複雑さ
  • 無線ルーターの信頼性

NTT回線の物理的な問題

まず最初に直面したのは、NTT回線と局舎間の物理的な不安定さだ。NTTモデムの「光回線」ランプが消えるため、原因は100%NTT側にあると断定できたが反応は鈍く、解消までには半年近くを要した。

最終的には、電柱上の光回線の物理的な接続を変更してもらうことでようやく解消した。これで一安心かと思いきや、次なるトラブルが待ち受けていた。

IPv4 over IPv6の複雑さ

次に発生したのは、IPv4 over IPv6に起因する問題だ。3日に1回ほど、IPv4通信だけがあり得ないほど重くなる罰ゲームのような現象に見舞われた。

IPv4 over IPv6という仕組みは、NTTが機器投資をケチっていることに起因して爆誕したガラパゴス技術であり、それゆえ情報がそもそも少ない。複数メーカーのルーターで試しても同じ問題が再現したため、仕組み自体に根本的な欠陥があるのではないかと疑っている。NTTコラボという名のサポートたらい回しシステムの影響もあり、結果的に、この問題の解決は困難を極めた。

他社回線への切り替え

いい加減NTTには愛想が尽きたので、ほかの回線事業者を探すことにした。過去に仕事で関わった電力系のエネルギアコミュニケーションズ社は評判が良いものの、残念ながら自宅はエリア外だった。

そのとき思い出したのが、地元のケーブルテレビ局が国費でレバレッジかけて進めていた市内全域の回線光化工事だ。ダメ元で契約してみたところ、これが大当たり。Cloudflareでの計測ではスループットもレイテンシもこれまでで最高レベルである。やはり最後に頼るべきは国である。

tracerouteすると、このケーブルテレビ局の上位回線はエネルギアコミュニケーションズ社のインフラっぽい。やっぱ中国地方ならエネコム一択やね。)

ルーター選び

回線が改善したタイミングで、ルーターも新調することにした。Buffalo、NEC、ASUS、TP-Linkなどの家庭向けメーカーを渡り歩いたが、どれも似たり寄ったりの印象だった。エアコンなしの部屋で使用すると、夏場に熱暴走を起こしたり、WPA2/3の互換性絡みの問題でやたらとトラブったりする。

色々調べるうちに、YAMAHAのルーターや無線APが評判良いという情報を得たので、思い切って導入してみた(RTX830+WLX323)。あこがれのコンソール接続もできるし、使い勝手や安定性もすこぶる良い。こんな宣言的でシンプルに設定を書ける仕組みが昔からあったのだなぁと衝撃を受けるなどした。詳細は別の機会に。

まとめ

こうしてようやく、安定した回線環境を手に入れることができた。随分と時間と労力がかかったものだる。一言でまとめると「NTTは爆発しとけばいいのに」である。以上。

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